我思必要物

今日のこれは単なる戯れ言です。変に勘ぐる必要はないと思います。



最近物語の題材のアイデアは浮かぶのに、いざ話を書き始めると、内容がすらすら出てこないことが多いです。
特に二次創作でない、オリジナル物でですが。


なんでかなー、と考えてみると、私は「私以外のもののエミュレートが苦手なんじゃないかな」と思い当たりまして。
どういうことかというと一般的な説明は私には出来ないので具体例を出しますと、


高校時代にしょっちゅう書いていた「ゆうじろうSS」ですが、大部分が実話を元にして書いています。
特に「礼菜(天ヶ崎礼菜)、皐(さっちゃん)、美咲(みーちゃん)」の三人しか出てこない話以外は全部そうです。
と言うことはもうおわかりだと思いますが、上の三人以外はモデルが居ます。で、この三人は何なのかというと、すべて私な訳です。
私の一部分を複製して、拡大解釈(培養と言った方が正しいのかも知れない)して、仮想世界で行動する様を観察するわけです。
そこにオリジナルの私の意志があまり混じらないので、書いてる私からしても想像のつかない、突飛なことが起きたりするわけです。まあそれが似非物書きをしていて楽しいことだったりしますが。



そして、私の一部を取り出して新しい人格にしたところで根幹が同じ訳ですから、どうしても類似性が出てきて面白くないわけです。そこで友人知人、はたまたアニメキャラとかから人格情報を模倣して物語の起こる仮想世界に放り込んだりする訳ですが、取り込んだとしてもそれはその人の「表向きの顔」と言いますか、「見えてる部分」だけなので、エミュレートが難しいのです。
数学で言えば因数分解不定積分みたいなものです。答えから数式を求めるみたいな。どうしても本質にたどり着くのが難しいのです。かと言って、積分定数の部分を取り除いてしまえば、面白味が無くなってしまう・・・その時点でその人格情報が私色に染まってしまうので、上に書いたように面白くないわけです。
底の浅い・・・というと失礼かも知れませんが、人格情報の大部分がよく見えるアニメキャラなどは比較的簡単なのですが、人間相手だとそうも行きません。で、エミュレートが大変なので、サンプリングが済んでいる情報だけを継ぎ合わせて、その人のオリジナルが持っている面白さを出来るだけ損なわないようにキャラとして構築しなおします。


ですが、欲を言えばやっぱり100%に近いエミュレートをしたいわけです。蝋人形を眺めていたって面白くありません。生きて目の前にいる人と話が出来るからコミュニケーションは面白いのだと思いますし、そこにある予測不可能な要素、他人の人格というブラックボックスの中身から何が出てくるのかが分からないから面白いのだと思います。
ですから私は何でも自分で出来るようにしたい、と思うんでしょうね。文章書けて、プログラム書けて、絵が描けて、人の上にも立てるだけのリーダーシップを持ってて・・・
自分の実益の為という側面もありますが、出来るだけ多くの人格をエミュレートしたいという私の願望の現れなのかも知れません。


他の物書きさんがどのようにキャラを作っているのかを私は知りません。私と同じように、自分のクローンを培養しているのか、それとも完全に別の人格情報をプログラムしているのか・・・
私は自分が0から1を作り出すのではなく、1から10を作る、まあ発明より改造・拡張の方が得意なタイプだと思っています。
なので二次創作は比較的スムーズに出来るのですが、オリジナルの開発が思うように進みません。






と言うわけで、テスト終わって執筆しようと思ってもなかなか筆が進まなくて、憂さ晴らしとアイデア補充のために空の境界読んでたら思いついた(と言うよりは、私の中ではっきりした)ことを書き殴ってみました。
空の境界を読んだことのある人ならお察しの通り、第5章の橙子さんによる『両儀』の説明の部分ですな。
いや、影響されやすいとかじゃなくてですね、やっぱり凄い作品は何かの気づきをもたらしてくれるんだなーってことですよ。