鍵括弧(「」)だけでSS

最近、授業の関係で「アイデアマラソンノート」というノートを作って使っております。
思いついたストーリーの設定、台詞、某所でやらせてもらってる勉強会のネタ、作ろうと思ったプログラムの概要その他諸々、全部これに書いているのですが・・・
(書いたら書いたで、もう作った気になってしまうのは別の問題としてまた書きます)




ストーリーを考えていて。
あるシチュエーションを思いついたときに、必要なものがあります。
何かというと、

  1. 手早く書けて
  2. 内容を正確に想起できる

そんな表記法です。



満たすべき要件を考えてみましょう。


まず、「手早く書ける」ことですが、とりあえず、「面白そうなことひらめいた!」という時のテンションを思い出してみてください。
これは、お話のシチュエーションを思いついた時のそのテンションが下がり始めてしまう前に、思いついたこと全部書き出せる。そういったことが必要なので(と思ったので)定義しました。
あんまり思いついてから時間が経つと、


「これ、ホントに面白いのかなぁ・・・」


なんて自分の考えに疑問符が付いてき始めてしまうんですよね。
実際つまらないにしても、一つでも自分の中で疑問符が出て来てしまうと創作意欲はだだ下がりなので、なるべくテンションの高いうちに書き終えてしまうのが吉だと思うのです。


加えて、ストーリーを思いついたときに、いっぺんに書き上げられるだけの時間が我々(少なくとも私)には無い訳です。
思いついたその時に、携帯か何かに文章を打ち込むという手もありますが、画面は小さい、テンキーでは入力も大変。個人的にはW-zero3とか最高だったんですけどね。
じゃあ後で書くか・・・と思っても、思いついてから執筆道具の前に来るまでの間に、雑務に追われ、気がつくと思いついていたはずのアイデアが忘却の彼方に追いやられていた・・・なんてこともあるでしょう。そうなってしまえば、悔しい思いしか残りません。
まあ、思いついたアイデアが役に立つかどうかは別にして、そのシチュエーションを如何に素早く書き留めておくか。
これは重要な要件だと思います。




次に「正確に表記できる」こと。
いくら急いでいたって、例えば

恋人同士が駅前で待ち合わせする。
女の子は待ち合わせの時間より早く着いてしまってドキドキしていたところ、デートの相手から声をかけられて驚く。


と書いたって、女の子が一体何考えてるのか分からないじゃないですか。特に私は、恋愛ものは心情描写が重要だと考えているので・・・
思いついた当人としては、SS(もしくは小説)の本文として書き上がったものが「一番正確な表記」なんですよね。
しかし、そうは問屋がおろさない。その情景にふさわしい描写をゆっくり考えていたら、時計の針は思っていたより早く回ってしまいます。
ふさわしい表現は、自分の脳のひらめきに任せて、もしくは他の書物から拝借してくるなりして、後で何とかしたい。




以上の要件を満たしそうなもので、私が思いついて最近使っているのが、鍵括弧(「」)です。
会話文に出来るだけ情景を押し込めて、申し訳程度に補足を地の文(?)として書き足していきます。
上記の例で使うとこんな感じ?

駅前の噴水前に主人公が立ってる。
「おー、やっと見つけた」
「ひわぁっ! と、ちょっとびっくりさせないでよ!!」
「ん? なに赤くなってんの?」
「べ、別に赤くなってなんか・・」
ペタペタ顔を手で触る。
「・・・ちょっと赤いかも。熱いし・・・」
「え、何? 熱いの? じゃあ、あの茶店でも入って涼む?」
「い、いや、別にそういうんじゃなくて! ただ・・・」
「ただ?」
「・・・ちょっと、時間より早く来たら、・・・アンタ居ないし。そしたら、私の服装変じゃ無いかな、とか、髪乱れてないよね、とか、色々気になりだしちゃって・・・そこに突然アンタが後ろから声かけて来て・・・だ、だからちょっとびっくりしただけなの!」


上記会話文内、喫茶店を指す「あの」のように、

  • どこか指差して「あの」と表現しているのか
  • どこか行きつけのお店があって「あの」と表現しているのか

何通りかにとれるような曖昧な表現を残しても、実際に文章にする時楽しいです。


メモしたこの会話文を全部使う訳ではなく、いい感じに地の文にしてやって使います。





こんな風に最近使っていた表記法。
実は「ドラマCDの表現とかと似てるんじゃね?」とかって最近思い始めました。
ドラマCDや、時雨沢恵一作品の一部の地の文が無い場所の表現を、思い出すしてみてください。
なんてことの無い会話だけのはずなのに話が分かって楽しめる不思議!


するってーと、鍵括弧だけのSS作品がもっとあっても良いんじゃね?


なんて思ったりした訳です。
先日のカラオケで七海さんのスケッチブックに書いた超電磁砲のSSもその実験だったりします。実験作載せてすみません七海さん><