こなかがSSS(超ショート・ストーリー。アクア団の3幹部ではない)

いつからだっただろうか、私がこなたを好きになったのは。いや、それは重大な問題ではない。今問題なのは私がこなたを好きだと言うことで、ぇー・・・それをこなたに伝えられずにいる事だ。
こなたを前にすると、こなたの言葉を聞くと、どれだけその気持ちを伝えようと思っても、知り合ってからの口調が口から出てきてしまう。こなたに対して否定的な台詞ばかり・・・




ついこの前のこなたの誕生日。プレゼントを渡したときだってそうだ。


「つかさに言われなかったら忘れてたけど」


嘘だ。ずっと前から覚えていて、きちんと貯金して、それなりに良い物を買った。
この前、こなたのコスプレ喫茶に行ったとき。踊った後のこなたが少し、汗くさかった。お客さんがそれを感じて、こなたが避けられるようなことになったら、こなたがどれだけ傷つくか分からない。
だから、汗くささを隠して、しかしお客さんの食事の邪魔にならないような匂いの香水を買ったのだ。
・・・手紙は付けなかった。付けるか付けるまいかで相当悩んだのだ。しかし、書き始めても、いつものような否定的な言葉ばかりが浮かんでくる。
・・・ああ、なんで私はこなたに自分の気持ちを伝えられないんだろう・・・
悲しくなって、その晩は枕を涙で濡らした。



でも、次の日にこなたがその香水を少し、ほんの少し付けて学校に来てくれていた。黒井先生辺りにバレれば殴られたかも知れないのにだ。
嬉しかった。
その日はこなたをからかって、からかいついでにグリグリとなで回した。・・・それでも結局「私のプレゼントを使ってくれて有り難う」とは言えなかった。




今日、こなたが私をウサギと称した。私がウサギとは・・・私はウサギに対して「可愛い」というイメージがあったから、その時は気恥ずかしくて赤くなっていた。
ところが後から、姉さんから、ウサギは寂しいと死んでしまう、というような話を聞いた。
要するにこなたは私を、寂しがり屋だと言ったのだ。
・・・私がこなたに自分の気持ちを打ち明けられなくて、寂しく思っていることは見抜かれていたのだ。
少なくとも「寂しいと思っている」部分は完璧に。
だから私は悩んでいる。
そこまで分かっているなら、もうこのままこなたへの気持ちを打ち明けるべきだろうか。打ち明けるべきだ。今までが遅すぎたのだ。
私の心はそう言っている。が、それをひたすらに「恥ずかしい」と思っている部分があるのだ。
加えて、女の子を同性の私が好きになっているという、背徳感。これまでの4人の仲良しの関係が崩れてしまうのではないかという、不安。
それらが私に告白をためらわせている。
・・・一体私はどうしたら良いのだろうか・・・




「お姉ちゃん、お風呂空いたよー?」
「あ、うん。すぐ入るわ」


そこまで書いて私は日記を閉じた。机の奥、様々な書類の下にしまい込む。


「・・・ふぅ」


ため息一つ。
とりあえずお風呂に入って心を落ち着かせよう、と思った。


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